期日前投票は本当に安全？制度の仕組みと懸念点をわかりやすく解説

期日前投票に不安はない？その仕組みと課題を解説

選挙が近づくと、「期日前投票って本当に安全なの？」「不正が起きたりしないの？」という声を耳にすることがあります。
私自身も、投票所で用意された鉛筆に少し不安を感じたり、本人確認が簡易すぎるのではないかと疑問を持ったことがあります。

期日前投票に関するよくある不安に制度的な観点と、課題となっている事例についても触れ、必要な改善の方向性を考えます。

投票箱が途中で開けられているのでは？という疑問

期日前投票では投票箱はその日の終了後、封印されて安全に保管されます。

• 封印テープと施錠により物理的な改ざんは困難。

• 投票箱の移送・保管には複数の選挙管理委員会職員が立ち会うなど、監視体制が整っています。

• 開票は公的に立会人を配置して公開の場で実施。

つまり、途中で票が改ざんされるようなことは極めて起きにくい仕組みになっています。

本人確認が甘い？という声への制度的回答

期日前投票では、原則として選挙人名簿との照合により本人確認が行われます。
ただし、マイナンバーカードや運転免許証などの提示は義務ではなく、自己申告（氏名・生年月日・住所）で手続きされるケースが多くあります。

このことに関して、過去にはチェックをすり抜けて外国籍市民が投票してしまった事例も報告されています。

👉【参考資料】
衆議院 第216回国会 質問第46号（2023年11月9日）

このような事例からも、次のような改善の必要性が指摘されています：

• マイナンバーや顔写真付きの本人確認の導入（プライバシーとのバランスが課題）

• 外国籍や選挙権のない住民との名簿誤登録の再点検

• 投票所スタッフへの教育強化と手続きマニュアルの厳格運用

鉛筆で書くのは大丈夫？消される心配は？

多くの投票所では黒鉛筆（HB程度）が設置されています。これに不安を感じる方も多いですが、以下のように安全面は確保されています。

• 投票用紙は特殊加工が施され、簡単に書き換えることができません。

• 開票作業は立会人の目の前で実施されるため、後から票を書き換えることはできません。

なお、ボールペンやマジックで記入すること自体は禁止されていません。ただし：

• インクがにじむ可能性

• 自動読取機での判読エラー

などの理由から、鉛筆使用が推奨されています。万が一、他の筆記具で記入した場合でも、文字が明確であれば有効票として扱われることがほとんどです。

選挙管理委員会の人選は信頼できる？

選挙管理委員会（選管）は中立性を保つために、以下のような形で運営されています：

• 地方議会の議決を経て委員が選任

• 公務員OB、弁護士、教育関係者などが多く選ばれる

• 政治的に中立であることが前提

しかし一部では、「委員の構成が偏っていないか？」「政党に近い人物が関与していないか？」という懸念もあります。

今後は、以下のような制度改善が求められています：

• 人選過程の透明性強化

• 政治的独立性を確保する選定基準の見直し

• 選管の判断が恣意的に運用されないための監視体制強化

まとめ｜信頼のために「制度＋改善」が必要

期日前投票は、利便性の高い仕組みであり、原則として安全に運営されています。
一方で、過去の誤投票や不備をきっかけに、制度の見直しや運用の厳格化が求められる段階にあることも事実です。

期日前投票は、働く人・育児中の人・高齢者にとって強い味方です。
その信頼を守るためにも、制度に加えて、運用の厳格さと透明性の向上がこれからの鍵になります。